「函館市病院事業改革プラン策定懇話会」議事概要(第3回)
 
                      平成20年9月9日(火)15時~
                      市立函館病院 2階講堂
   
 
(出席者) 

      岩田州夫(座長,公立はこだて未来大学副理事長・教授)

      伊藤丈雄(函館市医師会会長)

      岡崎弘行(北海道渡島保健福祉事務所保健福祉部部長)

      鎌田直善(公認会計士)

      前沢政次(北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野教授)

      岩見喜久子(前()北海道看護協会常任理事)

      秋本明敏(南茅部地域審議会会長)          順不同・敬称略

 
 
(理事者) 

       小柏理事,井上病院局長,藤森管理部長,渡辺管理部次長

      藤田経理課長,高恵山病院事務長,加我南茅部病院事務長

<開会>  
<病院局長挨拶>

〔井上病院局長〕

 6月,7月と2回の懇話会を開催させていただいた。3回目は8月に予定していたが,

当方の都合により,2週間ほど遅れたことをお詫びする。

 先の2回の懇話会においては,概ね現在の病院事業の置かれている状況について説明さ

せていただいたので,今回からは,本来の経営のあり方等について忌憚のない議論をしていただきたいと考えている。

 この改革プランの策定については,今月,公立病院特例債の申請が予定されており,さ

らにスピードを上げて議論を進めていかなければならないという状況だが,密度の濃い改

革プランを策定したいと考えているので,よろしくお願いしたい。

<議事>

〔岩田座長〕

 3回目ということで実質的な審議に入りたい。

 今日は次第の3として,前回要求した資料の説明,4として「市立病院が今後果たすべき主な役割について」病院の考え方,5として「経営効率化の整理と数値目標の検討について」,6として「一般会計繰入金の見直しについて」ということで議事を進めていきたい。まず資料要求について,簡略に説明願います。

 

〔藤田経理課長〕資料説明

 ・高等看護学院の状況について

 ・自治体病院と私的病院との経営状況比較

 ・市内の産科の状況

 ・大垣市民病院との比較表

 ・将来の人口減への対応について

〔岩田座長〕

 今の説明について何か質問はありますか。

 それでは,これで前回,前々回含めて,病院事業を取り巻く状況の説明はほぼ終わったということで実質審議に入りたいと思う。次第の4,今,市立病院が将来どうあるべきかについて説明してもらい,それを実現するためにはどういう形で,経営の効率化をするかを,4に対して5の説明をするという形でお願いします。

  

〔藤田経理課長〕資料説明

 ・市立病院が今後果たすべき主な役割について

 ・経営効率化の整理と数値目標の検討について

 

〔岩田座長〕

 一言で言えばあり方については,将来は今と同じ事をやるということですね。

 現在,資金不足に陥っているが,それに対して後半説明があった方策が単年度黒字に持って行く手段の全てということですね。 

 皆さんの専門的な立場に立って,順にご意見をいただきたいと思います。

 

〔伊藤委員〕

 3病院とも今までの形を崩さないということが前提のようだが,それ自体は話し合いをしないのか。

 

〔岩田座長〕

 それが正しいかどうかも含めて意見をお願いします。

 

〔伊藤委員〕

 市立函館病院を残すことは元来賛成である。身売りするとか無くするのはこの地域においてはやれない相談だと思う。問題は恵山と南茅部についてどうするかだが,医療というのは効率だけでいいのかというとそうもいかない。その地域の文化であったり,経済の中心であったりとなかなか難しいところがある。2病院については函病以上にドラスティックな経営改善ができるのではないかと思うが,基本的には残していくということでいいのかなと思う。診療所あるいは無くしてもということも考えられるのかもしれないが,合併して間もないということを考えると難しい選択になるのかなということで,残す方向で極力赤字幅を減らすとなると,今の説明にあったことより,もう少し赤字幅を圧縮する方法はあると思うので,まだまだ厳しく数字を詰めれるのかなと思う。

 

〔鎌田委員〕

 現状を前提とすると,今までと格段に違ったことをするというアクションプランが無ければ,来年は今年と同じ数字になる。なぜなら人間の行動は同じ事をやるから。それで違った行動を取ろうとする場合は,具体的な行動計画,誰が何をどうするといった5W1Hを明確にしないと変わっていかない。改善の計画を立てるというのであれば,きちんとしたアクションプランが必要だと思う。

 私はどちらかというと数字に着目する商売なので,市立函館病院の数字が良くならなければ病院局全体が改善されないと思う。

 数値目標があるが,切り口が甘いと思う。例えば,私的病院との経営状況比較で,収入はあまり変わらない。しかし給与や,材料,委託費などの費用が高い。給与費は委託費と合わせて分析した方がよい。材料費が高いのは,合理的理由があるのか。委託の見直しは額の大きなものから取り組むべき。減価償却費については,これは取り返しのつかないコストであり,結局は減価償却費の裏側にある借金を誰が返済するのかという話。どれだけ計画の効果が見れるのか,もう少し突っ込んで検討して欲しい。例えば,数値目標を掲げているが,現状の数値が書かれていない。

 

〔藤田経理課長〕

 材料費の高い理由についてだが,循環器や心臓血管外科のステント関係といった高額の材料を使って手術,処置をしている部分がある。薬も高上がりになっている部分がある。それから民間に比べるとトータルで単価的に高くなっている。現在10月以降の単価の見直し中だが,その中でもやはり高いという分析をしており,現在それを引き下げるべく業者と交渉中である。

 現状の数値については,函病の19年度の経常収支比率は86.0%,職員給与比率は51.9%,病床利用率は現在の状況で78%位に下がっている。恵山では,経常収支比率は68%程度,職員給与比率は約90%,病床利用率は療養で92.8%,南茅部病院では,経常収支比率は77%程度,職員給与比率は約64%,これはまだ院内処方をやっていたのでこのような数字となっている。病床利用率は一般で97%。

 

〔鎌田委員〕

 委託料のゼロベースからの見直しについてだが,

 窓口も見直しの対象なのか。

 

〔藤田経理課長〕

 当然,医事業務も見直しの対象だが,当面直ちに見直しが可能な主なものを挙げている。その窓口は医事業務も含めてニチイ学館に委託しており,特に午後の体制の問題などを外来業務委員会でも検討している。

 

〔鎌田委員〕

 委託は一般競争入札か。

 

〔藤田経理課長〕

 まだそこまでは行っていない。ただ一部,給食業務でプロポーザル方式で業者から提案を受けながら決めたという委託はある。

 

〔岩見委員〕

 7対1看護を維持するための方策が出ているが,妥当な対応策だと思う。ただ今はどこも看護師が不足で,そして優秀な看護師が欲しいという現状があるので,何か市立病院の「売り」を持って,普段からホームページ等で表現していく。それから大学等に働きかけるようだが,函病で働くメリットをしっかり強調して,募集をして行くのがいいのではないかと思う。あちこちで看護師の募集について業者も手を付けているので,その宣伝の効果も使えるものであれば使っていく方法も一つと思う。若い方がどんなところに魅力を持つかというと,自分を育ててくれる教育プラン,環境がどのようなものかが一番引きつけられるものなので,その辺のPRを普段からやっていくことと,それから職員自身が自分の職場で働くことのメリットを言えるようでなければならない。

 

〔秋本委員〕

 南茅部病院の診療所化の話が出だが,極論を言われたような気がして少々心配している。南茅部病院は老朽化している。建て替えというわけにもいかないと思うが,ぜひ今の37床の一般病床を確保すること。つまり1次から1.5次の医療を担うという必要性が非常に高い。市立函館病院との連携を考えた場合でも相当な距離があり,時間的にも1時間かかる場所なので,一層この地域の病院の必要性が高くなると思っている。今の療養病床は休止になっているが一日でも早く廃止してしまい,老朽化しているところを営繕して,4人部屋を2人部屋にするなど快適な環境にする。経費の削減で大変だと思うが,そう大規模なものではない。そうすると100%近い利用率になるだろうと思っている。

 それから給食費が表に出ていないのではないか。なぜ直営でやっているのか。 

 医師の少ない病院については,医師によって経営が左右される。院長がいなかったら南茅部病院はつぶれる。院長が診療に出る日だけが混み合っている。

 

〔前沢委員〕

 診療科別に本当にその科を置くべきなのか,民間でやっているところはスリム化して場合によっては医師がゼロというようなことも検討してはどうか。例えば脳神経外科の専門病院が市内にあるが,医師会と派遣元の大学と現場の医師で将来どうあるべきかを検討してはどうか。

 恵山,南茅部病院については,多くの町村で診療所化の問題が挙がっているが,私は病院のままで行くか診療所化するかではなく,こうした都市部から離れたところが,どんな医療を担っていかなければならないのかを歴史や人口構成などを踏まえ,供給ではなく需要の問題から検討すべきだと思う。総合医や家庭医を育てるという教育的な役割を付加して整備していくことが重要である。一か月間とかではなく後期研修において長期間,指導医も配置して地域の医療のあり方を住民と一緒に考えるということが必要である。

 

〔岡崎委員〕

 道の立場として,函館病院は地方センター病院ということで役割を今までどおりになってもらいたい。また恵山,南茅部病院については,将来的にはあり方を検討していくべきではないかと思っている。対応策にもそういった記載をしていくべきだと思う。

 ところで特例債の見込みはどうなっているか。

 

〔藤田経理課長〕

 明日(910日),札幌の道の本庁で特例債のヒアリングがあり,ここで要望するような形になると考えている。これに関しては当初想定されていた以上にハードルがいろいろあるようで,そのまま認められるかどうか,明日実際に道の本庁に行ってみて本庁の方々と話をしてみて,それからということになる。

 

〔岡崎委員〕

 看護師を増員していく中で,給与比率を下げていくとなっているが,市立稚内病院では医療従事者の給与は手を付けられないということで,事務職の給与を下げていたが,そういう考えはないか。

 

〔藤田経理課長〕

 現時点ではそこまで考えていない。特に医師,看護師は下げるという発想はなく,逆に上げなければならないのかなという感じを持っている。やれるとすれば事務職やそれに付随するところだが,函館市全体の話にもなりかねないので,直ちにとは現時点では考えていない。ただ過去の例で交通局の経営改善の場合で,給与体系を変えてということもあるので,病院事業だけでやるということは可能である。しかし総務省から言われているのは,一時的に給与を下げるという形では評価しない。恒久的に下げられれば評価すると聞いている。

 

〔岩田座長〕

 経営効率化の対応策が示されているが,書かれていることは今まででも出来た事である。なぜ今まで出来なかったのかを聞きたい。

 

〔藤森管理部長〕

 看護師については,平成18年度の医療保険制度改正により7対1看護が創設されたが,なかなかそれに対応できなかったというのは確かなことである。その後も7対1を取得すべく看護師を募集したが,結果的に給与の面で市内の病院と開きがあったことや学生が大都市指向があるということ,その首都圏の病院が当学院に来て,かなりいい条件を示したことなどに対抗できなかったことがあった。昨年遅ればせながら初任給の見直し等をしたり,病院の教育環境をPRするなどをして現在に至っている。それと採用はある程度年度当初からするが,年度途中で辞める看護師が結構いる。いろいろ事情はあるようだが,中には当院の医療体制について行けないという人もいる。今後は新たに増員をしていこうということで,今回,修学資金の貸付金を1万円から5万円に増額するなどで何とか函病に就職してもらえるようにと考えている。

 

〔岩田座長〕

 貸付金を増額するなどとしているが,それで看護師を本当に確保できるのか。具体的にどうリクルートし,アクションを起こすのか。

 

〔藤森管理部長〕

 貸付金は3年間勤務すれば償還が免除されるということで,他のリクルート方法としては,ホームページに募集を出すこと。それから例年,看護局長,担当課長等で東北や道内の学院を訪問している。また10月にも予定しているが,東北に再来年から新たに卒業生を輩出する看護学部があるので,そこにも行こうと考えている。

 

〔岩田座長〕

 私どもも同じ状況にあって,未来大学で学生が減っている。教員1人当たりで2030の高校を歩いている。その際どこに行きたいか聞くと,看護,福祉,介護に関しては学生の意識も高いので,回られる分にはかなり変わってくるのではないかと思うので性根を入れてやるといい。

 材料費が高度医療により,高く,競争入札がないということだが,これからは購買を専門とするバイヤーを入れて,従来のしがらみのない購入の仕方があると思う。

 

〔藤森管理部長〕

 委託に関しては,数社の見積もり合わせによって競争性を持たせてやっている。

 材料の部分については,過去に診療材料を扱う民間の業者にお願いして,単価の比較をしてもらい,高く買っているという材料については,交渉して一定の効果を上げたことがある。今後についても業者の持つ価格情報を利用することも検討している。

 

〔岩田座長〕

 ここまでくると,同じものであれば一番安いものを買う。やはり競争的な購入の方法を取り入れることが,非常に金額が多額なのでやった方がよいと思う。

 入院・外来の単価を上げると言っているが,単価を上げる具体的な方法は何か。

 

〔藤森管理部長〕

 7対1看護を取得することにより3千円程度の単価アップ。7月からDPCを導入し包括診療の収入となり,ベンチマークにより他のDPC病院と比較が出来るので,そこで費用を削減するなどで単価アップをし,増収につなげていきたいと考えている。

 

〔岩田座長)

 薬だけの患者を検査等が必要な患者にシフトすると言っているが,民間の診療所等との関係はうまくいっているのか。

 

〔藤森管理部長〕

 目指しているのは,病診連携の紹介,逆紹介を行い,検査や手術が必要な方は当院に来ていただくと考えており,現在当院の医療連携課が主体となって動いている。血圧の薬だとかだけの場合は開業医に診てもらい,検査や手術が必要になれば当院を紹介してもらうというふうに考えている。

 

〔岩田座長〕

 3年くらい前から病診連携の話が出ているようだが,函病に限らずあまりうまくいってないと聞いている。何か秘策はあるのか。

 

〔井上病院局長〕

 連携を進めていくことは当然の事だが,それにはネットワークを使う。そのシステム・組織は出来ており,実績も約700件ある。そのシステムに加入してもらえば,例えば函病のデータ,画像等を見ることが出来る。函病に抱き込むということではなくて,診療所と診療所の間でも見れるというようになっている。その他に連携している診療所にアンケートを実施して同意を得れば,積極的に逆紹介していきたいと考えている。

 

〔岩田座長〕

 そのシステムは知っているが,なかなか広がらないようなので,手を考えて欲しい。

 結果的に単年度不足額が14億円,年度末資金不足が22億円ということだが,これは半端な金額ではない。提案している改善策をやっていつまでに,どの程度改善できると考えているのか。

 

〔藤森管理部長〕

 現在入院患者数は460人程度で推移しているが,これらの対応策を実施することにより平成24年度には看護師を538人まで増員し,1日520人の入院患者を受け入れることが出来れば改善を図っていけると考えている。今の見込みでは今年度は14億円の赤字を生ずる見込みだが,来年度以降改善していきたい。

 

〔岩田座長〕

 平成24年度で入院患者を520人入れれば単年度で黒字になるということか。 

 

〔藤森管理部長〕

 函病は可能である。

 

〔岩田座長〕

 看護師の確保が全てであるということか。

 

〔藤森管理部長〕

 看護師の確保も重要だが,その他にも医師の努力も必要であるし,患者さんに函病に来ていただく努力も必要と考えている。

 

〔岩田座長〕

 看護師が最低限538人必要だということならば,先ほどのリクルートの方法で本当にできるのかどうか。他の病院も同じようなことをやっている。今までもやれば出来たことを頑張ると言っているイメージがする。これがポイントだという何か目玉がないとこういう経営効率化は難しい。システムを変えるとかマインドを変えるとかしないと大きな船の惰性を変えるのは難しいのではないか。本当に看護師の確保が重要ならそこにものすごく大きなウエイトを置いた施策が見えて,目玉がないとインパクトがない感じがする。

 

〔伊藤委員〕

 理屈は藤森部長の言うとおりなのだが,理屈どおりやればものが解決するかというと,まず患者が来ないという現実がある。一つ質問だが実際使える病床は何床あるのか。

 

〔藤森管理部長〕

 一般病床で598床。520人入れば稼働率が87%くらいになる。

 

〔伊藤委員〕

 今年は異常にどこの病院も患者数は少ないと思う。これは天候のせいと後期高齢者制度などにより間違いなく診療抑制がかかっている。座長も言っているように本当に看護師が入るのか。

 今信頼できる診療単価はいくらくらいなのか。

 

〔藤森管理部長〕

 患者は少ないが59,000円です。7月が59,000円と説明しているが,実は昨日8月分が概数だが出ており59,171円ということで,これで9月も59,000円を維持できれば,決して過大な数字ではないと考えている。ただ問題は患者を集めれるか,稼働率が問題となる。

 

〔伊藤委員〕

 五稜郭病院は稼働率が90数%,医師会病院で80%弱だから,実は経営の方法はいろいろあると思うが,80%弱でぎりぎり成り立つのである。これはシステムの問題なのだが,85%位で経営が成り立たなければ,何かが多いということ。例えば借金とか。

 患者さんを集めれるかどうかは大きな問題であるが,それは体質の問題である。対応が悪いとか,新患で行ったらうちでは診れないと言われ帰されたという話も聞いている。そういうことの本質を一丸となって改めていかなければならない。

 私も昔若い頃に市立病院にいたが,当時の院長から「おまえ達は市民のための病院にいるのだから市民のために尽くすことをモットーに」と言われ,本当に信じてあの頃の職員はやっていた。そのくらいのマインドコントロールがないと改善は難しい。昔はないものはない中でやる。やれることの最大限をやるということが当然だったが,今はあれもないとこれもないとこういう環境じゃないとできないという,残念ながらそういう時代になっている。そこをいかに上手にコントロールしてそういう意識にさせるかが全てです。それが出来れば簡単な話である。なぜなら単価が約6万円であるので,10人入院患者が増えれば,1日で60万円。1か月で1,800万円,1年で2億円を超える。3年間で67億円単純には増収となるのである。

 私が分からないのは,国からの15億円だが,これが本当にもらえるのなら,そこから償還があったり,この建物330億円かかったが,そのうちの何百億円を返さなければならないのか,その返すための原資が交付税の中に含まれているようだが,それで使える金がいくらなのかが見えない。そのために一般的に経営をしていった時に交付税分を入れてあと何億円借りればいいのか。それが見えない。だから民間病院を経営している頭で考えるとわからない。我々民間は銀行の借金も自分で返して税金も払っている。ここは税金もないしもらっている金もたくさんある。民間でやれることをここでやれないことはない。ただ不採算な部門は間違いなく公立病院が負っているので,これは大事な役目なのでこれを放棄することが出来ない辛い立場はあると思う。ただ私は総枠で考えて,やれると思っている。やれるという前提でやれるための障害を取り除くことを職員一丸となって出来るかが一番の問題なのではないか。

 

(鎌田委員)

 単年度で14億円の赤字,第1回目の懇話会の収支見通しの資料では,8千万円程度の黒字となっていたが,この2か月でマイナス14億円に変わったのはどうしてか。

 

(藤森管理部長)

 収支見通しについては,本年1月に策定したもの。20年4月以降,7対1看護配置基準の取得やDPCの効果など,4月から6月の実績の中で患者数や診療実績を見込み,8か月間の精査をしたということである。

 

(鎌田委員)

 今後も数字を見込む時に同じようなことは考えられる。

 給与,材料の事実は改善しないとならない。改善策は論理性が感じられない。

 資格持ちの心境は,資格を取った直後は,自分自身で中身が空,経験がないことをよく知っている。免許を取って卒業したら,いい経験をしたい。それを埋めてあげられるようにすれば,人は来る。そういう具体的な話がなければならない。

 自分の学校の卒業生が来ないのなら,他から来るわけがない。

 

(前沢委員)

 学生時代の最後の実習が大きな役割を果たしており,また夏休みを利用して,いろいろな病院を見て回っている。あんな看護師になりたい,という看護師がいるとか,自分の能力を引き出してもらったとかのような成功体験。大学等へ勧誘に行く時は,看護局長や教育担当にカリスマ的な能力を持った人が回らないといけない。どんなことが勉強できるのかなど作戦をきちんと立てて,人が集まるようにすることが大事なこと。

 

(秋本委員)

 診療所化や病院を無くするという話には心配をしている。

 先ほど質問した,療養病床を廃止して営繕を入れることと,給食が外注になっていないのはなぜかについて回答が欲しい。

 

(藤田経理課長)

 南茅部病院の給食については,内部では検討している。委託に出すより,現時点では安くできており,アウトソーシングの対象とはしていない。

 療養病床については,今はどうこうとはなかなか言えないが,前回の議会の中でも話があり,病室の改修については,検討すると答えている。

 

(岩田座長)

 最後の議題に移ります。繰入の見直しについて,事務局からの説明をお願いします。

 

(藤田経理課長)資料説明

 ・繰入金の見直しについて

 

(岩田座長)

 この数字に関しては,我々がどうこう言うより,これだけは必要だということで,財務当局との話し合いになると思うが。

 

(鎌田委員)

 これで結果はどうなるのか。

 

(藤田経理課長)

 この繰入をしてもらい,先ほどの患者数を確保して,概ね単年度の資金収支が取れるという3病院あわせての数字である。

 

(岩田座長)

 前半の話にはリアリティが伝わってこない。こうやればこうなるというのが見えない。私の前職でのリストラの経験から,目標数字に対して,それを実現するための方法は2つあり,1つは効率化,論理的なプロセス。もう1つは,それに対して現場の担当者の意志がなければならない。

 本当に出来るのかと思いながら聞いていたが,特に材料費の話が出たが,これだけ大きな欠損が出ると,個々の項目でどこに問題があるのかという犯人捜しが出来ていないと,只々,看護師を増やしたからとやると,どこかでもの凄い無駄使いをしているかもしれない。看護師が増えて結果プラスになったから万歳とはいかない。また次が起こってくるかもしれない。そういう分析が不足しているのではないか。そこを分析し,ある理由を求めた上で,看護師を増やし,これだけ頑張るという意志を見せれば,胸を打つ改革プランになると思う。そうすると特例債もすーっと通ると思う。

 

(岩見委員)

 カテは高額だが,1本買いしているのか。

 

(藤田経理課長)

 今は単価契約をしており,心臓カテーテルで使われるステントは,前期で317千円だが後期で30万円以下にしようと考えている。それでもまだ高いと思っている。

 

(岩見委員)

 カテは工夫すれば,収益に多大に影響する。

 

(藤田経理課長)

 コンサルからもそう言われており,ターゲットを絞ってやっている。

 

(伊藤委員)

 高額商品の掛け率が大きい。

 外部委託の場合,3人でやっていたところを5人必要だとか不合理な場合もある。真実味のあるたたき方をしていかなければならない。

 

(鎌田委員)

 繰入については,従来どおりの考え方であれば,私は賛成できない。他の病院と比較してやるべき。努力目標がなければならない。

 

(岩見座長)

 私も同意見である。

 改善案について,リアリティのある案にしてもらって,次回もう一度検討したいと考える。

 

(井上病院局長)

 ・閉会の挨拶

                                   (終了)

 
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