〔岩田座長〕
資料が配付されているが,本日の議題である「公立病院改革プランの概要」これがメインの議題です。その前に前回皆さんから質問のあったことに対しての回答をしてもらい,引き続き資料の説明もしてもらい皆さんの意見を聞きたいと思います。
〔藤田経理課長〕資料説明
・「看護師確保スケジュール」
・「経費の削減について」
・「公立病院改革プランの概要」
・「病院事業の収支試算」
〔岩田座長〕
数字が多く理解し難いところもあったかもしれないが,何か質問はありますか。
〔鎌田委員〕
単年度財源過不足額は,収支計画の表のどことどこを足したものですか,その算式を教えてほしい。
〔藤田経理課長〕
ちょっと確認しますので,少々お時間をください。
〔秋本委員〕
独立行政法人とはどのようなものか。
〔藤森管理部長〕
現在,私どもは地方公営企業法の全部適用ということでやっているが,それとは別に民間的な手法を取り入れるということで,独立行政法人には,公務員型と非公務員型があるが,行政と切り離して法人を設立し,理事長を置き,行政から運営費の一部をもらった中で,独立採算制を行うというものです。
〔岩田座長〕
一番変わるのは端的に何か。
〔渡辺管理部次長〕
地方独立行政法人の場合は,設置はあくまで函館市となるが,独立した行政法人ということになるので,例えば予算,契約,人事などはその独立行政法人の中で自立的に弾力的にやれるというところが一番違うと思います。
〔岩田座長〕
一定のお金は市から降りてきて,それの使い方については,病院が責任を持って使えるということですね。中の費目についてはどの程度変更できるのか。例えば人件費分は人件費に充てなければならないとか。
〔渡辺管理部次長〕
それらも含めて,法人の中で弾力的にできると考えていいと思います。
〔岩田座長〕
では指定管理者の場合は,一番のメリットは何か。
〔渡辺管理部次長〕
指定管理者制度になると,他都市の例だと,別の医療法人や大学病院などに病院の運営を委託することになり,そこでやり方はいろいろあると思うが,一般的には医療報酬はその法人の収入になり,建物は市が提供するわけなので,その使用料を市がもらうことになります。ただし不採算医療,公的な医療をやっている分は市から繰入金を繰り出すことになります。
〔岩田座長〕
確認ですが,この様式3「公立病院改革プランの概要」という資料は,特例債を発行するにあたって必須の提出資料なのですね。この中の改革プランの内容だが,5年以内に単年度収支が黒字になるという条件があったと思うが,この中ではそこまで行かないと説明があったが,それはそれでいいのか。
〔渡辺管理部次長〕
国から示されたガイドラインでは,経常収支の黒字化は3年以内,それから再編・ネットワーク化と運営形態の見直しは5年以内を目標年次にして,プランを作りなさいとなっていますが,先ほど経理課長の方から説明があったとおり,経常収支の3年以内の黒字化は大変困難だということで,函館市としては概ね10年後を目標に黒字化を達成したいと考えています。
再編・ネットワーク化と経営形態の見直しについては,方向性として複数のものを提示して,これらについては一応22年度を目途として結論を出していきたいということで,3年,5年以内は難しいが,何年後かにという達成目標の年度をある程度示していけば,特例債の発行は何とか認められるのではないかと市としては考えているところです。
〔岩田座長〕
確認だが,その特例債の償還も税金を投入するということですね。
〔藤森管理部長〕
病院局の案としてはそういうことになります。
〔岩田座長〕
それは20年度までの負債ということで,21年度以降に発生するものについてはどういうふうに返していくかはまた別の話ですね。
〔藤森管理部長〕
21年度以降については,それらも含めた形で,本来であれば5年以内に均衡を取るということですが,なかなか困難なことから目標年度を設定したいと考えています。
〔秋本委員〕
改革プランを毎年度評価する「函館市病院事業経営改革評価委員会」というのは,病院ごとに設置するのか。
〔藤森管理部長〕
病院ごとではなく,病院局として一本と考えています。
〔秋本委員〕
9月10日に特例債の道のヒアリングがあったようだが,感触はどうか。
〔藤森管理部長〕
ヒアリングの段階では,概要ということで説明をしてます。その中でこの改革プランというよりも,函館市の給与体系などで国公準拠にしなければというような話が出てきており,現在その対応のための資料を作成しているところです。
〔秋本委員〕
もう一つ意見として南茅部病院の病床利用率についてだが,療養病床が分母に働くのであれば,70%以下が3年間続くと規模の縮小になるので,早期に廃止することを明確に記載してほしい。
〔藤森管理部長〕
検討したい。
〔岩田座長〕
経営形態は意志の問題。要するにやるやらないの問題。独立行政法人化は大きな問題と思うが,指定管理者にもチェックが入っているが,一つに絞るまたは,チェックが入っているものについて,どういう条件が揃えばやれるのか,その意志はどう考えているか。要は誰かが独立行政法人になりなさいと決めてくれるわけではない。ですから何らかの条件を自分で揃えて,これであれば独立行政法人になりたいとか,ここだけは意志の問題と思うが,どういうふうに考えているか。
〔藤森管理部長〕
見直しの方向性ということで,地方独立行政法人と指定管理者にチェックを入れているところですが,今後の方向性を探るということから,一つに絞るのではなく,可能な選択肢を排除しないということで指定管理者も含めて検討したい。民間譲渡は規模が大きいためハードルが高いと考えています。
〔岩田座長〕
それは理解しているが,どういう条件が揃えば,やれるのか。
〔小柏理事〕
市長部局と病院部局の事務方で「病院事業健全化検討会議」を設立し,可能性やメリット,デメリットなどを検討して,最終的には病院事業管理者,それから設置者の判断を仰ぐことになります。それぞれにいろいろ問題もあり,独立行政法人であれば経営者を誰にするかなど非常に難しいところがあります。指定管理者であれば受け皿が非常に難しい。それは事務方の会議で詰めていきますが,いずれにせよ今の全部適用のままではなかなか難しいだろうと思っていますので,どちらかの選択になってくる。それは経営者や受け皿の話も含めて,探りながら,22年度末までには,できれば一年でも早く方向性を出さなければならないと思っています。そんなに時間をかけてはいられないなと思っています。
〔岩田座長〕
「病院事業健全化検討会議」のチームはできているのか。
〔藤森管理部長〕
理事を筆頭に,企画部,財務部の各部長,次長が入りまして,先日,第1回目の会議をやったところです。今後,理事の言ったとおり詰めていきたいと考えています。
〔岩田座長〕
遅くとも22年度までに結論を出すということですね。かなりの難しさがあるので,できるだけフリーハンドでらつ腕を振るえる方を筆頭に独立行政法人化がいいと個人的には思います。
〔藤田経理課長〕
先ほどの単年度財源過不足額の出し方ですが,改革プランの概要の収支計画の表において,収益的収支の純損益と資本的収支の差引不足額を足して,減価償却費を引いたものが,概ねの数字となります。
〔岩田座長〕
今日のメインであるこの改革プランについて,他に提案等ありますか。(なし)
後は特例債が通るかどうかが大前提ということですね。
他になければ,次回はこの懇話会でどういう意見が出たかをまとめるということになるがよろしいですか。どのような形でまとめますか。
〔藤田経理課長〕
座長を中心に,今までの懇話会での意見等をまとめていただくことになります。そして今までの委員の皆様からのご意見を踏まえまして,改革プランの素案という形で次回お示しして,それについてパブリックコメントをもらうような形で一度公表するというスケジュールを考えています。
〔岩田座長〕
それでは次回は,懇話会としてのまとめと最終版のチェックということです。
それでは今日はこれまでとします。
〔井上病院局長〕
今回までで大筋の素案の方向性は出たと認識しておりますが,いろいろご意見がありましたとおり,財務的に,あるいは特例債に不透明なところがありまして,事務局としては鋭意,情報を集めながら,まとめの報告書の原案を11月にお示ししたいと考えております。本日はどうもありがとうございました。
(終了)
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