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当院のがんの診療体制について

 当院ではどのような体制で日常のがん診療に取り組んでいるのか、実際にどのような治療を行っているのかについて、症例数の多いがんを中心にお知らせします。


肝がん

 当院における肝癌の診療は、おもに消化器科、外科、放射線科が担当しております。各科で定期的にカンファレンスを施行し、2005年に作成された「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン」を参考にしながら、個々の症例の治療方針を決定しております。
 平成18年に当院に院内がん登録された肝癌は29件であり、その進行度と治療の内訳は以下の如くでした。

肝がん 病期分類(UICC)
ステージ(治療前) 登録数
7
6
11
3
不明 2

肝がん治療法 症例数
化学療法+TAE 6
手術 5
放射線治療+化学療法 3
化学療法+TAE+RFA 2
TAE 2
手術+放射線治療 1
放射線治療+化学療法+TAE 1
放射線治療+TAE+RFA 1
化学療法 1
化学療法+その他 1
TAE+RFA 1
経過観察、その他 5

 まず肝癌の正確な診断が必要です。外来で施行可能なものとして、血液検査(腫瘍マーカーなど)、超音波検査、CT、MRIなどが挙げられます。入院を要するものとして、腹部血管造影検査、肝腫瘍生検などがあります。これらの検査から、腫瘍径、個数、脈管侵襲の有無、遠隔転移の有無などを評価し、肝癌の病期分類(ステージ)を決定します。
 同時に背景肝の状態を評価(Child-Pugh分類、肝障害度)することが大切です。肝癌は、慢性肝炎や肝硬変といった慢性肝疾患を背景にして発生することがほとんどですが、障害の程度によって治療方針も大きく左右されるからです。 治療は、肝癌のステージと背景肝の障害程度、更には患者さんの全身状態をよく検討し最終的に決定されます。治療法は、局所制御能の高い(1)外科切除、(2)ラジオ波焼灼術(RFA)やエタノール局注療法(PEIT)などの穿刺療法、(3)肝動脈塞栓術(TAE)を基本とし、時に併用しながら選択しています。外科切除、RFA・PEIT、TAEのいずれにおいても治療が困難となった進行肝癌に対しては、肝動注化学療法を検討します。遠隔転移を有する例では、全身化学療法の他、転移巣への放射線照射も検討します。また、再発症例に対しても。再手術を含む集学的治療を積極的に行っています。低侵襲手術としての鏡視下手術への取り組みを開始しました。
 進行肝癌に対する肝移植は当院では施行できないため、北海道大学病院と連携しています。同院より担当者を招き説明会を行い、適応や移植成績についての情報を得ています。
 尚、2005年1月から2007年12月までの過去3年間で治療がなされた肝癌は140症例でした。各治療法別の件数は(重複あり)、肝切除術27症例、RFAやPEITなどの局所療法50症例90結節、TAE79症例163回、肝動注化学療法43症例でした。