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当院のがんの診療体制について

 当院ではどのような体制で日常のがん診療に取り組んでいるのか、実際にどのような治療を行っているのかについて、症例数の多いがんを中心にお知らせします。


乳がん

 当院の乳癌の診療は主として乳腺外科が担当しています。治療は、乳癌学会のガイドラインを基準としつつ、世界標準と言われるSt.Gallenのコンセンサスミーティングの結果やNCCN、ASCOなどの意見を取り入れ、個々の症例を検討し行っています。放射線療法も、ガイドラインに則って適応を決定し、放射線治療医とともに個々の症例を検討し実施しています。キャンサーボードとして、乳腺外科医、放射線治療医、病理診断医、マンモグラフィー担当放射線技師、超音波検査担当技師などによる検討会を月2回定期的に開催しています。

 平成20年に当院の院内がん登録に登録された乳癌は71例であり、その進行度と治療の内訳は以下の如くでした。

乳がん 病期分類(UICC)
ステージ(治療前) 登録数
9
15
20
6
5
不明 2
治療開始後 11

乳がん治療法 症例数
手術+放射線療法+内分泌療法 12
手術+内分泌療法 10
手術+化学療法 7
手術+放射線療法+化学療法 5
手術+放射線療法+化学療法+内分泌療法 4
手術 4
内分泌療法 3
手術+放射線療法 3
その他 23

 乳癌手術に対しては、クリニカルパスを導入し、透明性の高いわかりやすい治療を心がけています。平成21年に手術を施行した68病変中49病変に対して乳房温存手術を、19例に乳房切除術を施行しました。センチネルリンパ節生検とは癌がはじめにたどり着くリンパ節(センチネルリンパ節)に癌があるかどうかを調べる検査です。センチネルリンパ節生検で転移がなかった場合は、リンパ節郭清を省略でき、郭清にともなう合併症を減らすことができるという考え方で、当院では平成18年より導入し、平成21年には49例に行い、20例で腋窩郭清を省略しました。
 腫瘍が大きいなどの理由で温存手術ができない場合などでは、ご希望のある場合には術前化学療法(FEC+タキサン)を行なっており、5例に実施しました。乳房温存手術後は残存乳房に放射線治療を行っており、外来治療を基本としています。
 内分泌療法は乳癌治療の柱の一つですが、当院でも適応がある人に対し、閉経前では、抗エストロゲン剤、LH-RHアゴニスト製剤を使用し、閉経後では、アロマターゼ阻害剤を使用しております。術後の補助内分泌療法に関しては、地域連携クリニカルパスを導入しています。進行乳癌に対しては、術後補助化学療法(FEC、FEC+タキサン、ハーセプチン)を、適応する人には相談の上行なっています。
 乳癌は経過が長く再発する人も少なくありません。これらの人々に対しても、積極的に化学療法を行い治療しています。HER2陽性者に対しては、分子標的治療であるハーセプチン投与を行っています。これら、化学療法は、初回のみ入院で治療を行いますが、その後は外来治療を原則としています。
 また、乳がん検診後の精密検査にも力を入れております。なかでも、しこりを作らないタイプのがんに対し、マンモグラフィーをとりながら組織を採取して調べる検査(マンモトーム生検)を年に40-50件行なっており、その20-30%で非触知乳癌との診断を得ています。
 乳房切除術で乳房を失った人に対しては、ご希望のある場合には、形成外科と検討し、札幌の病院を紹介して再建していただいています。

乳癌手術症例の成績を当ホームページ -治療成績の集計と公開- にて公開しています。