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前立腺がんの放射線治療成績

「前立腺癌の動向」

 日本人男性のがん罹患率では胃がんが1番で前立腺癌は現在6番目ですが、10年後には肺癌に次いで2番目に多くなると予測されていますので、今後益々前立腺癌の患者様は増加するものと考えられます。

「前立腺癌の治療方法の選択肢」

 前立腺癌に対する根治的治療法としては、長らく手術療法が主体でしたが、最近では放射線治療と手術の治療成績が全く変わらないことが証明され、放射線治療で治療される患者様が急速に増加しています。
 当院ではすでに手術療法は行っておりませんので、手術療法に関しての詳細な情報提供を希望される場合には、専門家の泌尿器科医師をご紹介し、納得ゆくまで放射線治療と手術療法を比較検討できるよう、お手伝いさせていただきます。
 補助的療法として、内分泌療法がありますが、有効なのは数年間ですので、高齢者や転移のある進行癌の症例に行います。また、転移がなくとも放射線治療単独では効果不十分と判断される場合には放射線治療と内分泌療法を併用することがよくあります。

「当院放射線治療科の特徴」

 2009年5月より前立腺癌に最適な最新技術である強度変調放射線治療Intensity modulated radiation therapy (IMRT)を導入し、道内有数の高精度放射線治療を提供しております。前立腺に放射線を集中し、正常臓器への照射を最小限に抑制する方法を採用しています。これにより、非常に高い治癒率と軽微な副作用を実現しています。
 年間約70症例以上の前立腺癌の放射線治療しており、症例数では国内有数のがんセンター、一部の大学病院を除けば、一般病院としては国内最多の症例を手がけております。これは、道南の泌尿器科医の先生が当院の放射線治療の有効性に対する理解が深く、患者様をご紹介いただけるからです。 

「放射線治療の方法」

 35回から45回(7-9週間)、土日祭日を除く平日週5回、1日10分程度の治療を行います。通院の困難な遠方の方以外は外来通院で治療可能です。治療中は寝台の上に寝ているだけで、全く苦痛はありません。治療期間中も生活の制限などは一切なく、仕事やいつも通りの生活をしながら治療できます。

「前立腺癌のリスク分類」

 腫瘍マーカーPSA、グリソンスコアと呼ばれる組織学的悪性度、癌自体の進行度から低リスク群、中リスク群、高リスク群の3種類に分類され、放射線照射量や内分泌療法の併用などを決定する要素となります。また、上記の3つの情報が得られれば、コンピュータにより放射線治療で癌が治る確率が簡単に計算できます。

「前立腺癌の放射線治療成績」

 当院で過去6年間に前立腺癌に対して、強度変調放射線治療IMRT導入以前に根治的放射線治療を受けた237例を調査対象としております。

低リスク群 中リスク群 高リスク群
治療症例数 45 65 127
再発症例数 0 1 7
平均観察期間 39ヶ月 45ヶ月 48ヶ月
再発率 0% 1.5% 5.5%
「放射線治療による副作用」

 副作用は放射線治療期間中に起こる急性期と放射線治療後遅れて出現する晩期の2種類があります。急性期副作用としては、治療を要さない軽度の頻尿や排尿痛が18%、薬物治療を要する頻尿が5.9%と排尿に関する一時的な軽い症状がしばしば起こります。晩期副作用としては、治療を要さない軽度の直腸出血6.7%、薬物療法を要する直腸出血5.4%、強い排尿困難0.8%といずれも許容範囲の症状が非常に稀に起こる程度です。
何の負担もなく、がんが治ったという多くの患者様の声をいただき、スタッフ一同大変喜んでおります。