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平成26年度 第2回 函館市病院事業経営改革評価委員会議事概要

■日時:平成26年11月5日(水) 17:30~18:32
■場所:市立函館病院 2階講堂
■出席者:岩田委員長,鎌田委員,藤原委員,熊谷委員
吉川委員,木村委員,泉山委員,加藤委員,渡辺委員
■事務局:秋元次長,本間庶務課長,根本経理課長,野呂医事課長,
小川参事,吉田参事,大島医療連携課長,福井恵山病院事務長,
加我南茅部病院事務長

1.開 会

□秋元次長
本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。定刻となりましたので,ただいまより平成26年度第2回函館市病院事業経営改革評価委員会を開催いたします。
なお,伊藤委員は,本日用務のため欠席となっております。
それではさっそく議事の方に入らせていただきます。岩田委員長,議事の進行をよろしくお願いいたします。

2,議 事

■岩田委員長
こんばんは。お忙しいところご苦労様です。私の住んでいるところは一昨日,昼からすごい嵐になって,雪が積もったんですよね。このまま冬になるかと思ったのですが,今日は暖かいですね。いよいよこういう時期となりました。
今回の会議が,今年度の最後ということですので,よろしくご協力お願いいたします。それでは,次第の議題に沿って進めていきたいと思います。
まず,最初に公立病院改革プランの実施状況等について,事務局の方から説明をお願いいたします。

□資料に基づいて根本課長説明

■岩田委員長
ありがとうございました。何かご質問等ございますか。ちなみに函病くらいの規模で,かなりいい成績を残している病院をご存じでしょうか。

■木村委員
自治体病院では,岩手の県立中央病院がいい成績をだしています。

■岩田委員長
よい成績を収めているのに何か要因は考えられますか。

■木村委員
医者がおよそ150人位在籍していて、そこが大きいと思います。

■岩田委員長
何故そんなにお医者さんが集まってくるのでしょうか。

■木村委員
岩手は,自治体病院の中心となっているのが県立病院です。20の県立病院があるのですが,県立病院それぞれに定数があって,小さな県立病院では十分に確保するのが困難です。その分を含めて県立中央に人が集まって、そこから地域の病院に支援に行く形がとれています。
中堅・若手の医師の希望と,県立病院全体としての枠が,うまくマッチしているものと思います。

■岩田委員長
岩手には岩手県立大学がありますね。そこのIT系も非常に運営がうまいんですよね。
県としてそういうマネージメント,いい経営をしているのでしょうか。

■木村委員
医療に関しては自治体病院のメインが県立病院ですから,指揮命令系統がはっきりとしています。
例えば3.11の震災の時には,内陸の病院から海側の病院にすぐに診療支援を派遣するとかですね,そういうことが出来ています。

■岩田委員長
わかりました。それでは,議題(2)平成26年度函館市病院事業の事業実績(上期)について,事務局より説明をお願いします。

□資料に基づいて根本課長説明

■岩田委員長
ありがとうございます。
一件だけ個別の質問に入る前に質問したいのですが,函館病院の入院収益の説明の時に,DPCの区分がⅡ群からⅢ群になったという説明があったのですが,収支に非常に大きなインパクトを与えています。
DPCのもう少し詳細な内容と,それからⅡ群であったものがⅢ群に位置づけられたことが,例えば事前に察知できて,それが対応できなかったのか,そのあたりを教えていただきたいと思います。

■木村委員
Ⅱ群の条件としての項目がいくつかあるのですが,当院が満たさなかった項目は,ベッド当たりの手術に関する要件,要するに人手のかかる手術を1ベッド当たりどれだけ実施したかという項目です。それを満たせないことは1年以上前から分かっていました。
今回のDPCの係数を定めるために使用されるデータは,平成24年10月から25年9月までのものでしたので,25年の3月くらいには,おおよその状況は把握できていました。
当院では,人手のかからない手術もたくさん実施していて,それを減らせばⅡ群を維持できることは分かっていましたし,そういう手術は減らした方がいいという考えもありましたが,当地域には実際にそういうニーズがあるわけです。
例えば,私は外科ですから外科でいいますと,そけいヘルニアの手術,痔の手術,虫垂炎の手術などはあまり人手はかかりません。あるいは眼科の手術も多くは一人でやる,そういう手術をたくさんやれば,Ⅱ群が維持できなくなり,Ⅲ群になることは分かっていましたが,このような手術をやらないでⅡ群を維持することが,地域の自治体病院として本当にいいのか、本末転倒ではないかと考えました。
当院としては,引き続き地域のニーズに応じた診療を行おうという方針を立て,それによってⅢ群に落ちるのであれば,堂々と胸を張って落ちましょう,と決めました。
問題は,26年度のDPCの係数がどうなるのかが読めなくて,当初予算を組んだときは,Ⅱ群からⅢ群に落ちた分で,年間8千万円くらいの減収だと思っていたのですが,実際の係数を見ると,2億5千万円くらいの影響額になりました。
係数は発表されるまで分かりませんので,Ⅱ群からⅢ群に変更になることは分かっていたのですが,マイナスになる分の数字を読み違えたということです。

■岩田委員長
平成24年度は少なくともⅡ群だったんですよね。その後Ⅲ群に落ちたということで,そのことは予測できたということなんですけれども。今の函病がテリトリーとなる患者さんの構造が変わってきたんでしょうか。それとも,早いもの順で,手のかからない患者さんが来たので順番で入れたのか。そのへんをお伺いしたいです。

■木村委員
基本的には,慢性期の状態は役割分担から言えば当院の対象ではないと考えています。一方で,いくら人手がかからないと評価されても、手術というのは急性期治療です。急性期治療に関しては,別に意識して集めている訳ではないですが,来れば拒みません。
例えば,外科にそけいヘルニアで手術したいという患者さんが来れば,順番にやりますから待ってくださいとお願いします。そういう手術を集めた訳ではないし,逆に排除した訳でもありません。
ただ,地域全体で,手術のキャパシティーがどうかということはあるかもしれません。他の病院のデータを全部知っている訳ではないですが,以前よりも全体のキャパシティーが低下しているのかもしれません。そのような手術がこちらに来たとき,当院で受けないかといったらそうはいかない。
人手のかからないと評価されている手術を多数行うと係数は下がりますが,病院長としてそういう手術を減らせという気はありませんし,それでⅡ群がⅢ群になってもやむを得ないと考えています。

■岩田委員長
もう一つ確認しますけれども,年によってⅡ群だったりⅢ群だったりと,状況が変わるものなのでしょうか。それとも,現在のⅢ群の状況が続くということなのでしょうか。

■木村委員
今後は,おそらくⅡ群とⅢ群の基準が,従来の考え方から変わってくると聞いています。現在,DPCⅡ群の基準値は,大学病院の下から二番目の数値が基準となっています。その基準が絶対評価となり,さらには地域特性を考慮したものとなります。
平成28年か30年になるかは分かりませんが,絶対評価で,地域で必要とされる急性期病院がⅡ群に評価されるのであれば,我々はⅡ群を取りたいと思っていますが,人手のかからないと評価されている手術を減らし,大きな手術だけを意識的に増やして,Ⅱ群を取るという気はありません。

■岩田委員長
わかりました。ほかに質問がございましたら,どうぞ。

■藤原委員
今のお話ですが,Ⅱ群がⅢ群に変わって,病院の収入や患者さんの負担に変わりが出てくるものなのでしょうか。

■木村委員
昨年と今年で全く同じ診療をしたと仮定した場合,病院として年間2億5千万円くらい診療収入が減少するということです。
年度当初、診療報酬改定が出る前は,その影響額を8千万円の減と見込んでいましたので,想定よりも1億数千万円マイナスになるということです。

■藤原委員
Ⅱ群に上がるためには,大きい手術を数多くやらなければダメだということですが,木村院長の話では,細かい手術も選り好みせずにやって,それでⅢ群と評価を下げられても,それでいいというお話でよろしかったでしょうか。

■木村委員
我々はⅡ群になるために病院をやっているわけではありませんし,Ⅲ群に落ちたくて病院をやっているわけでもありません。我々が診るべき患者さんを診療するために病院をやっています。
その時に,本来やるべき診療をきちんとやった上で,それでⅡ群になれるのであればそれに越したことはありませんが,Ⅱ群になれないからといって,病院の方針を変えて,何とかしてⅡ群になろうというふうには考えていません。
また,将来的には評価の基準が変わりますので,評価の基準が絶対評価で,地域に必要な急性期病院という基準がきちんと確立したら,そのときにはⅡ群にならなければダメだというふうに考えています。

■熊谷委員
今,ご説明いただきましたが,すごく嬉しく感じております。小さな手術もやっていくとのお話しで,本当にありがたいと思います。
冒頭で岩手の県立病院の連携のお話もありましたが,その点,将来に向けてどのように考えておられるのでしょうか。

■木村委員
最低でも5年,場合によっては10年かかるような仕事だと考えています。自分のところをしっかりと固めないで外にうって出た病院は,ほとんど失敗しています。当院の医師数は,まだギリギリの状況ですので,自分のところが,ある程度ここまでくれば大丈夫だという体制が取れていなければダメだと思います。その体制をどれだけ早く作るかが課題です。
恵山病院や,南茅部病院もありますし,それから,周辺の市町村の自治体病院もありますが,最終的には自治体病院がそれぞれの地域を支えていると考えていますので,そういう病院と,どのように連携を取っていくかは,5年,10年という期間で考えたときには,絶対やる必要があると思います。
ただ,今すぐ応援が出せるのかと言われると,現在のところは厳しいですが,さきほどのDPCⅡ群の話のなかで,地域の中の絶対評価という話をしましたが,そういうふうに,地域への支援も出せる病院が,5年後10年後,この病院の目指す姿と考えています。

■熊谷委員
わかりました。函病,恵山病院,南茅部病院のグループ以外に,市内に大きな病院がありますが,そことの連携はどのようにお考えでしょうか。
函病に関係のある病院との連携だけだと,なかなか難しい話になると思いますので。

■木村委員
連携というか,役割分担をもう少し明確にしなければならないと思います。病院間でお互いに役割を分担しなければならない点は,もちろんたくさんあります。一方、悪い意味に取られると困りますが,やはり競争という面があってこそ,お互い進歩する面もあると思います。その両方をどうやってバランス良くやるかということです。
それぞれの急性期病院で,あの病院に負けたくないとか,我々はこの面は勝っているけれども,この面はまだまだだなと思うから,努力して進歩する面もありますので,役割分担の面と,競争する部分と,両方大事にしなければダメかなと思います。
ただ,明らかに医療の提供が過剰になった場合,例えば人口がすごく減ったのに,どこの急性期病院も今と同じ形態で継続していくのが果たしていいのかどうか,このことはキチンと考えるべきだと思います。

■熊谷委員
経営というのはやはり効率的に,基本的には儲けていかなければならないわけですから,今のお考えは理解いたします。
私たち一般の市民として,また患者の立場になりますと,どこどこの病院のあの先生はこれが専門で皆さんに凄く評判がいいよ,というような話が結構あるわけですね。
軽い手術であっても,あの先生にお願いした方がいいという患者さんが来た場合は,これからもやっていきますよというお話ですから,そういう方向でお願いできればと思います。
そういう先生がいなくなれば,患者さんは,軽い手術でも来ないわけですね。例えば風邪をひいても来ないわけですから,やっぱり患者さん一人一人を大事にしていく,そのことによって,全体的にまた収入が増えていく方向もあるのではないのかなと思います。
将来的には変わっていくのかもしれませんが,現段階では,これまでどおり患者さんの受け入れをお願いしたいと思います。

■岩田委員長
木村院長から,競争と協調,競争があるから切磋琢磨できるというお話がありました。
私もこれだけ人口が減り出してきて,しかも医療機器ももの凄く値段が高くなってきている状況の中で,単純に競争だけではなく協調というのがあって,役割分担というものが必要だとは思っています。
現実問題として,函館の中での急性期病院,それに類似した特殊な技能を持った開業医の先生を含めて,役割分担とか協調というようなことを話し合う,またはそういう構造を構築しようとする会議,あるいは話し合いの動きがあるのでしょうか。待っていて決まることではないと思うのですが。

■木村委員
それは,なかなか当事者からは言い出しにくい話ですね。
ただ,救急の部分については,以前に比べると,急性期病院どうしで色々と話をしながら,体制をもう少し構築していこうという動きはあります。あるいは,災害が起こった時の対応について,話し合う場とかですね。私が函館に来たのは十何年か前ですが,その頃に比べると随分進歩したと思います。
もう一つは,先生がおっしゃる高額な医療器械です。
例えば,PETという器械があります。がんの診断に使う器械なのですが,当院が主催している市民公開講座の参加者から,市立函館病院は何故PETを揃えないのですかという質問がありました。その際に「PETという器械は,人口50万人から100万人に1台あれば十分で,地域の民間の施設が1台持っていれば,それを共同利用すればいいのであって,それを競争して,当院でも買いたいという考えは間違っているんです」という話をしました。
当院にあって他の病院にない器械もあります。この地域に必要な数の中でシェアできればいいという考え方は,少しは根付いてきていると思います。
ただ,100人の患者さんがいた場合,こちらの病院が50人,こちらの病院は30人,こちらは20人とかというような,そういうシェアの話になるのか,そのようなシェアの話はした方がいいのか,あるいはしない方がいいのか。そういう議論はこれからだと思います。

■岩田委員長
そういう議論はしようとされているのですか。それとも,これからの話なのですか。

■木村委員
救急の話を詰めていったら,次にそういう話に必然的になるだろうと思っています。

■岩田委員長
私の方から少し視点を変えて。
実はこの改革評価委員会の3回くらい前まではですね,どちらかというと,木村先生は右にどんどん上がっていくようなイメージの発言をされていた気がするのですが,前回あたりから,どちらかというと右肩下がりになってきている。
先ほど構造という話をしましたが,恵山病院・南茅部病院も含めて,患者さんの構造が固定化してしまって,頑張っても大体こんなものだと底が見えてきて,それで段々人口が減ってきているのが見えているような気がします。
その件について,3病院の院長のご意見を聞きたいと思います。

■木村委員
市立函館病院が対象としている患者さんの数,入院件数は年々増えています。早く退院するようになっていますので,1日平均の患者数は減っていますが。
それから,この地域の75歳以上の人口は2030年までは増えて,その後ちょっと減りますが,2014年よりは多い。人口が10万人減るという構造でも,今後10年くらいは患者さんはそんなに減らないと思います。
ただ,今の規模,今のやり方でいくと,診療部分ではかなり目一杯のところがあると思います。要するに,4・5年前には出来ることがもっとたくさんあるはずだと言ってきたことが,かなりやられてきている状況だと思います。
私が院長になってから,増収増益となってきましたが,これからは減収増益ができるか,減収でも増益できるところをどう見い出すかが課題だと考えています。

■泉山委員
恵山病院ですが,大変厳しいと思っています。地域で年間80人から100人くらいの人口減があって,入院も恵山出身の方が1/3,函病以外の総合病院から紹介される方が1/3,函病から1/3で構成されていたのですが,恵山の方,他の大きな病院からの紹介患者さんは,徐々に減りつつあります。
今回,市内の入院透析をやっているクリニックが来春で無床化するということで,そこから3名ほど透析の患者さんを紹介していただきました。色々な施設とお付き合いをして,紹介患者さんを獲得する以外にないのかなと考えています。そうしたなかで,函病からの転院が,我々の入院患者さんのメインとなりつつありますので,今後ますますお願いしたいと思っています。
外来患者数は,前年度よりちょっと減っただけですが,外来そのものの数はもっと減っています。昨年4月に恵山にグループホームができて,そこの入所患者さんが少しずつ増えていて,施設在宅を月に2回,ドクターが順番で診ており,その数が増えているので,何とか去年と同じくらいの患者さんを維持できている状況です。やはり,在宅の方に少しずつシフトして,患者さんを獲得していかなければならないのかなと思っています。

■加藤委員
南茅部地域も当然,人口は減っています。
9月までの実績につきましては,去年よりもかなり入院患者が少ない状況です。これまで9月,10月は,一般病床で30人以上患者さんがいたのですが,9月末で20人ちょっととなっております。感染症の患者さんが増えると入院が多くなる傾向がありますので,時期的に肺炎などが増えれば,一般の患者さんが増えるのではないかと考えています。
また,今まで13対1の看護体制でやっていたのですが,10月からは10対1を取得しています。これまで10対1だと在院日数の問題があって,90日を超える方は療養扱いになっていましたが,今回の診療報酬改定で,10月からは90日を超えても10対1で算定できることとなり切り替えました。一般の入院患者数がまた30前後になってくれば,収益的に少し回復できると思います。
外来は,1ヶ月から3ヶ月といった長期投薬の方が増えてきましたので,これまで「最近どうですか」というお電話を患者さんにサービスでかけていましたが,それを患者さんからの同意を得て有料化する,電話で説明すると,その件数は外来数にカウントされますので,そのような対策も講じていきたいと考えています。

■岩田委員長
ありがとうございます。低調の中で最善を尽くされているということですね。それでは,また視点を変えて質問したいと思います。
函病への質問になりますが,以前から気になっていたのは,高度な医療をすればするほどお金がかかるのではないかということです。私も材料費の増加は気になっていて,知り合いの医者に会うたびに話をしますと,新薬はとにかくバカ高いが劇的によく効く,だから新薬を使わざるを得ないという話をされるわけです。
これからもどんどん新薬は出てきます。患者数や患者の構造は,先ほどお話しされたように,そんなに変わらない。Ⅱ群からⅢ群の評価となり,増収増益とならない中,コストが増えると経営は厳しくなります。
私は,病院は儲けなくても赤字でなければいいと思っています。ですが,以前のようなすごい赤字では困るわけで,そこに対する考え方をしっかりお持ちなのかどうか。函病の立場のような病院が,これからも親元が無理に仕送りをしなくていいよう,経営をどのような方向に考えているのか,どのような構造改革をしようとしているのか,お聞かせいただければと思います。

■木村委員
一つは,収益性のいい部門は,徹底的に収益性をよくすることだと思います。
診療報酬は,理屈があるようでない,根拠がはっきりしません。例えば,これをやればコストがこれだけかかって、利益がこれだけあるというようにはなっていません。余り手数、コストがかからなくても点数が高いものもあるし,かかっても低いものもあります。これは申し訳ないのですが,一病院ではどうにもなりません。実際に、そういう患者さんがいらっしゃるわけですから,収益性のいいところでキチンとやるしかないと思っています。 
ただ,収益性の悪いところをやるのが,我々自治体病院の役目だと思います。最初から明らかに収益性がマイナスのところには,民間はなかなか踏み込めないわけですから,そこに踏み込むためには,収益性のよいところで収益を取るしかありません。
不採算部分には,国や自治体で一部面倒をみてくれますので,これまで赤字でも不採算部分をやってこれましたが,これからは段々厳しくなってくると思われます。自治体病院としては,その不採算部門にこそ踏み込んでいかなければ存在意義はないと思っていますので,そのためにも収益が取れるところは頑張っていくしかない。
もう一つは,これはもうずっといっていて,なかなか難しいとは思っていますが,色々なものを買う値段が確かに高い。他の自治体病院に比べると,そこそこ頑張ってくれているとは思いますが,民間に比べると高いものを買っている,それは間違いないと思います。民間がこれまでどうやって値段を引き下げているのか,ここに次のフォーカスは集約されると思います。それだけですごい額だと思います。

■岩田委員長
実はそれを言いたかったのですが,二つあって,一つは最新薬の使い方。二番目のものでもいいじゃないかと。当然先生方の話し合いの中でもあるとは思いますが,そういうものの選び方というのがあるのかということ。
もう一つは,よく私も構造がわからないのですが,薬価よりも安く買っている病院が圧倒的に多い時に,薬価ギリギリで自治体病院は買われているのではないかと,そういう新聞報道もありましたし。

■木村委員
そこをどれだけ頑張るかということです。
ただ,高いけど効く可能性が高い薬は,もちろん治療する側も使いたい。患者さんには、こんなに高くなくても,もっと安価なお薬ありませんかとおっしゃる方もいらっしゃれば、高くても新しい薬を使いたいという方もいらっしゃいます。この点については、保険診療の中で認められているものであれば,あまり制限をするべきではないだろうというのが,今の基本的な考え方です。

■岩田委員長
私も深いところまで踏み込んだことがないので分かりませんが,材料費にしても経費にしても,今のシステムが色々考えられてベストだと思っておやりになっていると思いますが,一度ゼロベースに帰って購買方法を考える必要があるのではないでしょうか。企業では何度も何度もゼロベースに立ち帰り,そこから効果が出る場合もあります。

■木村委員
現在の仕組みの中で考え方,見方を変えてやって下さい,というところから,もう一歩踏み込まなきゃだめだと思っています。仕組みそのものを変えるとか,どこかで民間の血を入れるとか,そこまでやる時期がきたと院長としては思っています。
ただオーナー病院だったらすぐできますけれど。

■岩田委員長
院長権限,局長権限で検討をスタートしていただくのがいいかと思います。とにかく,病院とか大学は,人件費を減らすべきではないと思っています。そこは,変にいじるところではないと。
これまでずっと見ていますと,見直しが出来るのは,今の材料費とか,そのあたりしかないと思います。あと残り2年しかこの委員会もないので,いい方向を出していただければ,私も安心して終わったと言えると思います。
医療に関わる色々なものが全部値上がりしている感じがします。それは結局サプライアーが,サプライする場が限られていて,そこからしか買えないとか,それしか使えないというところに問題があるのではないかと思います。
工業製品ですと,タイから買ってくればいいじゃないか,みたいな買い換えできますが,それがない世界なので,このへんを勘案しながらやらないと大変かなと思います。

■藤原委員
お話しがずれるかもしれませんが,恵山病院の件でお聞きしたいです。
先ほど泉山院長から,患者さんが減っており,それは構造的に人口減が一番大きいのではないかというお話がありましたが,恵山に住んでいて一番心配なことは,先生の数が減らされるのではないかとか,病院が必要ないんじゃないかというような意見が出ることです。最近,御嶽山が噴火しましたが,恵山にも活火山があるのでいつ爆発するかわからない状態です。そのような時に,拠点になる病院がないと問題が発生するのではないかと思います。目に見えない安全にお金をかけてくれることを,函館市では考えているのでしょうか。

■吉川委員
恵山病院の場合,人口からいけば南茅部より少ない状況で運営できているのは,療養型を取り入れながら透析患者も引き受けるということで,函館市の方から患者が流れるという逆パターンがうまくいっているからだと思います。夜間の救急患者を受け入れる体制もとれており,比較的うまくいっています。
ただ,今後もこれまでどおりの経営ができるかというと,そうは言い切れません。例えば,函館病院から患者を送る際に,患者さんや家族の方から,恵山は遠いから,市内がいいというような話が寄せられています。こういう問題をどうクリアするのかが課題としてあげられます。
これからは,そこに必要な施設だから何もしなくても,お金をかけてもよいということには,中々ならないだろうと思います。何か工夫がなければ難しいと思います。

■岩田委員長
他にご意見ございますか。鎌田委員どうぞ。

■鎌田委員
私ども外から応援する人間は,状況が良くなっていけば特にあれこれ言うことは少なくなります。
今日の委員会に備えて私もここ2・3日函病のことを思い出していましたが,この数年すごく良くなっているのではないかと思っています。そこらへんをもう少しクリアに市民に説明する仕方があってもいいのかなと思います。
私がこういう場合によく使うのは長期推移です。今日の資料でいうと6ページの資料がございますよね。今回の損益の資料で,前年度同期との比較,それから予算・計画との比較というのが両方並んで出たのは非常によろしかったと思います。ここ2・3年は安定して良くなっているが,底を打ったのではないかという話がありましたが,市民に説明できるようにするためには,長期のですね,今日の6ページのフォームでいいですから,10年推移のようなものを作成されてはいかがでしょうか。
あとは例えば,医師1人あたりの医業収益といった,ポイントになる数字で資料を作る。先生1人がこのくらい大変だということが数字で表されたら,より理解が深まるのではないかと考えます。私もこの数字は見てみたいと思っています。
10年間の数字を横に並べてみると傾向が見え,そこから議論が進みます。そのための資料をぜひ作ってみてください。作ったらメールでも紙でも,事前に持ってきていただければ拝見する時間は作ります。
もう1回言いますが,我々外部の応援団は良くなってくれれば色々と言うことは少なくなってきます。

■岩田委員長
事務局の方,検討いただけますでしょうか。できるだけ時系列で推移がわかるように。鎌田委員と相談されて,何と何の項目を時系列で追えばよく分かるのか意見をもらって,無理ない範囲で作っていただければ。私も非常に興味がありますので,よろしくお願いします。
他になければこれで終わらせていただきます。

□秋元次長
どうもありがとうございました。次回の委員会は平成26年度の経営実績を議題にして,来年の6月の開催を予定しております。皆様には改めてご案内させていただきます。以上を持ちまして本日の委員会を終了いたします。ありがとうございました。

3.閉 会

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