院長あいさつ

森下病院長写真

 4月1日から当院で「夜間こども急患室」が始まりました。
 これは長らく函館市夜間急病センターが担ってきた小児の一次救急(症状が軽く緊急性が低い軽症患者対して行う救急医療)を当院が引き継ぐものです。

 診療時間は毎日19時から24時(最終受付は23時半)までとなっており、24時以降はその日の当番病院が引き受けます。

 但し、「夜間こども急患室」は、発熱や腹痛、アレルギー症状などの内科治療を担っておりますので、ケガや火傷などの外傷の場合は函館市夜間急病センター(外科)が対応します。

 また病気が重い時は当院から当番病院へ転院することがあります。何故なら重い病気を治療する際は人手も設備も十分に整っている状態でなければなりません。この状態を24時間365日維持するとスタッフが全員疲弊する事になってしまうため、これを防ぐため函館市では複数の病院が当番制を敷いて地域医療を支えております。

 同じく4月1日から「働き方改革」が開始されました。この法律により医師一人あたりの年間の時間外労働時間を960時間以内におさめなければなりません。

 しかしすぐにこの時間外制限を開始してしまうと、この地で培ってきた円滑な医療体制が損なわれる恐れがあり、「地域医療の最後の砦となる」という当院の役割を果たすことができなくなってしまいます。そのため、期間限定で特例の適応を申請し時間外制限を緩和してもらいながら診療をおこなっております。

 いずれ960時間以内に収める必要はありますが、この頂いた猶予期間内にロボットなどのテクノロジーの導入や多職種を巻き込んだチーム医療を確立する事で「最後の砦」としての役割を損なわないようシステムを築いてまいります。

2024年4月
病院長 森下 清文

主な経歴昭和57年 札幌医科大学卒業
平成13年 札幌医科大学助教授
平成15年 ヘルシンキ大学客員教授
平成30年 市立函館病院院長
指導医・認定医・専門医日本心臓血管外科学会認定 国際会員
日本胸部外科学会認定 特別会員
日本血管外科学会認定 特別会員