病院について 院長メッセージ一覧 > 2020年5月18日


院長メッセージ

 北海道は新型コロナウイルス感染の第二波に飲み込まれました。函館市も4月に4名の患者が発生しましたが、幸いな事に全員が元気となりすでに退院しています。

 1918年春。この時、世界で猛威をふるったスペイン風邪は日本に上陸しました。その当時の軍艦「やはぎ」でおきた艦内感染は多くの感染者と死者を出し、今回の「ダイヤモンドプリンセス号」と余りにも似ています。夏の間、小康状態を保ったスペイン風邪はその年の11月に大きな第二波となって日本全土を襲いました。

 新型コロナウイルス感染も今の波が収まったあと次の大きな波を起こすかもしれません。予防と同時にその時への備えもまた大切なことです。当院は以下の三つの準備を進めています。(1)感染病床の増床、(2)人工呼吸器、ECMOの充足、(3)検査体制の充実。

 当院の感染病床は現在6床です。しかし他の地区で起きている介護施設、医療施設での大規模クラスターが発生すると今の病床数では対応できません。重症患者用の病床を10床、軽症、中等症患者用の病床を30床に増床すべく、市内の医療機関のご協力もいただきながら準備を進めています。しかも全室ともウイルスが外部に漏れない構造になる予定です。

 各国とも重症患者の増加に伴う人工呼吸器不足に苦しみました。また超重症の患者にはECMOが有用であることも解ってきました。この両装置は重症患者治療の要となります。当院も新しくECMOを1台追加するとともに数台の人工呼吸器を増やす計画を立てています。

 現在のルールでは感染患者が退院するためにはPCR検査で二回連続陰性になることが必要です。入院患者数が増加するとこの退院に向けての検査が診断検査を圧迫します。当院はこの退院PCR検査を自院で行なえるようになりました。抗原検査や抗体検査も使用可能となりましたのでその役割を考え今後の導入を検討しています。

 最後に皆様から賜りました沢山のご厚情に対し心より御礼申しあげたいと存じます。医療者として新型コロナウイルス感染治療を行なうことは当然のことですが、御寄せ頂いたご厚情は我々に大変な勇気を与えてくれました。皆様と共にこの難関を克服してゆきたいとの意を強くしております。

2020年5月18日
市立函館病院長 森下清文