病理研究検査センター

 患者さんの体から採取された組織や細胞を標本にして、顕微鏡でみることによりどんな病気なのかを検査します。スタッフは病理専門医(日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医)2人、臨床検査技師9名(うち細胞検査士3名、認定病理検査技師2名)です。

組織検査と細胞診

  1. 組織検査

 手術や内視鏡でとられた臓器の塊を標本にして顕微鏡で検査します。検査する標本は組織(臓器の塊)を薄く切り、ガラス板(スライドガラス)に貼って染色したものです。

 組織は水分が多く柔らかいので、水を抜き(脱水)、パラフィンで固めた後(包埋)、薄く切ります(薄切、ハクセツと読みます)。だいたい2μmの厚さで切ります。これがどのくらい薄いかというと500枚重ねて1mmになる厚さ(薄さ)です。薄切標本は吹けば本当に飛んでどこかにいってしまいます。

 結果が出るまでは生の組織を固定し、標本製作と検鏡、報告入力、報告出力の段階を経て通常、生検(内視鏡でとられた小さい組織)の場合は組織採取日を含めて2日から数日かかります。手術で摘出した大きな組織は1週間程かかります。診断が難しい標本はさまざまな方法で調べるため結果を出すまで数週間もかかる場合もあります。

 手術中にすぐに病気の種類や範囲を知りたい場合、組織を凍結したあと薄く切り、染色して顕微鏡で観察、診断します(迅速診断)。  診断は病理専門医が行い、診断困難な症例はコンサルテーション(専門家の診断)を依頼しています。

  1. 細胞診

 組織をこすって(擦過)採られた細胞や、分泌液中の細胞をスライドガラスに塗って染色し、顕微鏡で一個一個の細胞を観察することによって検査します。細い針で病気の部位の細胞を吸い取って検査する方法(穿刺吸引細胞診)もあります。主にがん細胞があるか否か、スライドガラスに塗った細胞全てを細胞検査士が観察し、がん細胞等の異常細胞が発見されましたら細胞診専門医が診断します。

病理解剖

 病気でなくなった患者さんが実際にどのよう病気であったのかを調べるための解剖です。