下肢静脈瘤外来

<下肢静脈瘤とは どんな病気?>

 「下肢静脈瘤」とは、足の血管の病気です。静脈内にある血流を支える弁が壊れ、足の血液が停滞、逆流し血管が浮き出てきて目立つようになったことをいいます。
 そのまま放っておくと、見た目が悪くなるだけでなく足のだるさやむくみ、かゆみや湿疹となり、最終的には出血、潰瘍にまで発展します。


 下肢静脈瘤は決して少ない病気ではありません。立ち仕事や長時間のデスクワークをしている方、出産を経験したことのある方に多く認められ、患者数は全国で1000万人以上といわれています。

主な症状は
 ・ふくらはぎが張る、重い、だるい。
 ・足がつりやすい(特に夜間)
 ・腫れやむくみがある
 ・皮膚の黒ずみがある
 ・足の皮膚が硬くなる
などがあげられます。上記症状がある方は下肢静脈瘤の疑いがありますので一度検査を受けることをお勧めします。


<当院でできる治療方法>

・血管内治療

 細い管(カテーテル)を静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼く方法です。焼いた静脈は硬く縮み、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなります。再発がほとんど無く、痛みが少ないこと、傷が目立たない事が特徴で、後述のストリッピング手術に変わる治療法として静脈瘤手術のスタンダードになっています。当院では高周波アブレーションカテーテルによる下肢静脈瘤血管内焼灼術を行っています。

 また、2020年3月から道南で初めて導入された塞栓療法での治療も可能です。この治療は血管内に特殊な接着剤を注入し、弁が壊れてしまった静脈の壁を接着し血液が流れなくする治療法です。痛み止めの注射の回数も少なく治療時間も短いことが特徴です。



・ストリッピング手術

 ふとももやふくらはぎの逆流している静脈を手術で取り除いてしまう方法です。再発が少ない根本的治療ですが、高周波や塞栓療法による血管内治療に比べて体への負担が大きく、手術後の痛みや出血、色素沈着などのリスクがあるとされています。


・静脈瘤切除

 ボコボコと隆起している部分を切除する方法で、ストリッピングや血管内治療など他の手術と併用して行うことが多い治療です。非常に小さい傷(1~3mm)だけで静脈瘤を切除します。傷痕が残りにくく痛みも少ないとされています。


・保存的治療

 軽傷の方、手術を希望されない方の治療方法です。長い立ち仕事を避け、弾性ストッキングと呼ばれる収縮性のストッキングを履き、下肢のうっ血を予防します。静脈瘤の増大を防ぐ事が期待できますが、一度壊れてしまった弁は元に戻りませんので病気そのものが治るわけではありません。


 当院は2011年12月に下肢静脈瘤治療のため保険適応が認められたレーザー装置を導入しました。その後、高周波治療を導入、この春から新しく保険適応された塞栓療法をいち早く導入しています。最近は道南地方だけではなく近隣の県や外国からもレーザー治療を求めて患者さんが来院します。

 これまでに治療した患者さんの年齢は25歳から89歳までと幅広いものです。しかし残念ながら血管内治療ができない患者さんも1割強ほどいらっしゃいした。それは瘤が大きくなりすぎてレーザーや高周波が届かなかったためです。レーザー・高周波が確実に届く範囲は1cmまでですので症状が出現するか瘤が大きくなってきたなと思ったら迷わず受診して下さい。

 また両足とも静脈瘤がある患者さんは両足の同時治療を希望されますが、病気が進行している場合、片足を治すための手術時間が相当かかりますので片足だけになる場合もあります。特に皮膚潰瘍や湿疹を持っていらっしゃる重症例は内視鏡を用いた手術も一緒に行うため時間がかかります。治療は局所麻酔で行いますが、内視鏡手術を行う場合は全身麻酔が必要となります。入院は一泊二日と考えてください。

 毎週、月・水・木・金曜日に下肢静脈瘤治療外来を開いています。静脈エコー検査をすぐに行い、その後の方針を決定します。気になる症状や治療適応があるかなど疑問がある方はお気軽にご相談ください。