整形外科

 整形外科は運動器の疾患を取り扱う科です。運動器とは、体を支える、動かす組織であり、具体的には骨、筋・腱・靭帯、脳を除く神経(脊髄と末梢神経)が該当します。
 当院は歴史的に道南地区の救急患者を多く引き受けてきました。このため、整形外科においても外傷患者の占める割合が大きくなっていますが、各分野の専門家を揃えており、変性疾患やスポーツ外傷にも対応しております。
 また、市立函館病院は地域がん診療連携拠点病院となっているため、がんの骨転移に関しても各科と協力しての治療を行っております。
 連日手術を行っており、外来診療は基本的に午前中のみとなっています。3診体制で予約、紹介患者さん優先で診療していますが、救急患者次第ではお待たせすることや、稀に突然の休診もあります。他病院で治療中の病気があれば、診療の助けとなりますので、紹介状のご持参をお願いします。


対象となる疾患と診療内容

 当科では大きな手術は各分野の専門家が中心となって治療を行い、手術を必要としない疾患、外傷は5人の医師が分担して診療しています。手術が不要(薬物療法、関節注射などで対処可能)な患者さんには、自宅の近くの開業の先生に治療をお願いすることも多いです。
 主な疾患には以下のようなものがあります。

(1) 一般外傷:骨折、脱臼、靭帯損傷、アキレス腱断裂など
(2) 脊椎疾患:椎間板ヘルニア、頚髄症、黄色靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、脊椎・脊髄損傷、脊髄腫瘍など
(3) 手外科疾患:手指及び手関節周囲の外傷(骨折、腱損傷、切断指など)、上肢の神経疾患(手根管症候群、肘部管症候群)、腱鞘炎など
(4) 関節疾患:肩腱板損傷、反復性肩関節脱臼、変形性股関節疾患(人工股関節置換術)、大腿骨頭壊死症、変形性膝関節症(骨切り術、人工膝関節置換術)、半月板損傷など
(5) スポーツ外傷:野球肘(離断性骨軟骨炎、靭帯損傷)、膝靭帯損傷など
(6) 特殊分野:外傷後の四肢変形や脚短縮に対する変形矯正・延長術

 人工関節手術では俗に宇宙服とも呼ばれる手術用ヘルメットを使用し、感染予防にも十分留意しています。また、人工膝関節ではナビゲーションシステムを用い、安定した成績が得られるようになってきています。
 肩腱板損傷に対しては鏡視下腱板修復術のほか、リバース型人工肩関節置換による治療を導入しています。


当院単独では対応できない疾患

 四肢の原発性悪性腫瘍は比較的稀な疾患であり、高度な技術が必要なことから弘前や札幌の大学病院、がんセンターへの紹介となります。緊急性の低い腫瘍(進行が遅い腫瘍など)では、専門医を招聘して対処できる場合もあります。
 症状の強い骨系統疾患、遺伝性疾患、先天性疾患は他院(大学病院や小児センター)へ紹介となります。
 関節リウマチの生物学的製剤による治療は行っていません。(リウマチ性関節症や腱断裂、環軸椎亜脱臼に対する手術は行っています。)

手術件数

 COVID-19の影響で手術件数は減少し、2020年は521件でした(2017年~2019年の平均は680件)。内訳は脊椎疾患が131件 (椎間板ヘルニア 35件、頚椎椎弓形成術 16件、脊椎外傷 13件、変性疾患に対する固定術24件)、手外科関連では橈骨遠位端骨折 18件、腱鞘炎手術 17件、神経・血管・腱損傷手術 7件、手根管症候群手術 12件、人工股関節置換術 9件、人工膝関節置換術 20件、股関節周辺骨折 102件 (人工骨頭置換術 30件、骨接合術72件)、膝関節鏡手術 10件、肩腱板修復術 7件でした。